そういば久しぶりだね。:二日目part1

 

で、だ。
私たち、輝虎 空我と逸邦すみのはアヴケラ本部に連れてこられていた。
「悪いな、本来イフたちが・・・。といってもわからないか、済まないな」
「い、いえ・・・。その・・・私たちは何故呼ばれたのでしょうか?」
「・・・重要参考人、といったところだ」
「は、はあ・・・」

すみのside

なんだろうか、私達がいつ悪いことをしたというのだろうか。わからん。
「というかー!! 織っ子は!!? どこ!? アイツ睦月と一緒に行ったの!!? わけわかんない!!」と今すぐ叫びたい衝動に駆られるがそれはさすがに前にいる『優(すぐる)』さんにすごく迷惑がかかってしまうのでやめておこう。
「にしても優さん美人だなぁ・・・」
あ。言ってしまった。言うつもりなかったのに。心にしまおうと思ったのに
「な、そ、そんなことはない・・・。さあこっちだ」
もしかして優さんはツンデレなのだろうか。
私もよくツンデレと言われる。

もしかしたら気が合うかもしれないが

どう考えたって凡人の私と美人さんで『アヴケラ』に関わっているというこのスキルの差では無理だろう。
なんて言ったって高校をやめているのだから。
学生でもなんでもないただの『ニート』。
あまり言いたくなかった。だが本来私は高校三年生であって行こうと思えば行けるのだが。

別に引き籠ってないし。

ただ単に制服『セーラー服』と呼ばれているあの制服を見るのが嫌なのだ。
私が通っていた学校は『先輩と後輩の交流』と呼ばれるものが少なくない。
そしてなにより

『制服が学年ごとに違う』のだ。
これが私の一番嫌なところである。
3年には3年専用の制服が選べるシステム。

もちろん
2年は2年専用の制服が選べるようになっている。

問題は1年だ。セーラー服を着用する人が多すぎる。
私はその現状を見た瞬間にいつか昔のことを思い出す。それとともに心がどんよりとしてしまう。

私はそんなことしたくないけれど。

面倒だし、目つきが悪くなるらしい。かなり。
そしてそれは私の人生。いわば死活問題である。

というかぼーっとしてたらはぐれてしまった。
今の私の価値ははぐれメタル級だろう。


もし今ここに私の過去の知り合いなどとばったり遭遇して
「あ、すみのさん!? こんにちは!! お久しぶりですね!! 何年ぶりですか!?」

・・・などと挨拶されたら私は死んでしまうだろう。そんな挨拶をする人には心当たりがあるからこそ恐ろしいのだ。
そう。・・・恐ろしい。
「ちょ、すーみーのさーん!? スルーしないで!!?」

「死ね。私。死ね」
「いや、ちょっと!? ダメですから!! ・・・冗談でもやめてください」
「あー・・・うん。ごめん。」








「蒼牙くん」

 

 

 



「ね。睦月」
「? なんだよ優寿。こっちは部屋の整理で忙しいんだけど」
「・・・蒼牙と変わるかな? 睦月」
「いや、遠慮しておく。で、なんだよ優寿」
そして優寿は少し間を置き話した。
「・・・すみのは、どうかな?」
突然の質問に驚いた睦月だが、この質問に答えなければ淡々と何かを話された後で再びこの質問をされるか、質問攻めに合うかのどちらかだろう。

こんなの二択って言わねぇ・・・。
とそんな考えが頭をよぎる睦月だが、少し考え、答えた。
「どうって何」
「今どこにいる?」
「・・・」
流石にこれを言うと

優寿が発狂したらどうしよう。

俺怒られるんじゃね?

つかむしろ死ぬんじゃないの?

まだ生きていたい 死にたくない

すみのが心配になってきたけどやばい



・・・これは死ぬ。という結論に至った睦月はひたすらにどう答えるか考えていた。
すると優寿が口を開いた。
「・・・答えられないってわけね。引き止めてごめん、部屋の整理の続きやってていいよ」
「・・・おう」
少々申し訳ない気持ちに浸っていた睦月だったが、その後作業を続けた。

一方優寿は少し悩んでいるようだった。
すみののことだろう。
安易に予想がついた睦月だが、そっとしておいた。・・・気を使っただけだ。

「さて、今日はもうこれくらいでいいか? ・・・疲れた」
「・・・」
「おい、優寿。聞いてんの?」
優寿はどこか上の空だった。が
「おい・・・優寿」
睦月のとてつもなく低い声で優寿のことを呼んだ為だろうか。どうやら帰ってきたようだ。

優寿は少し戸惑いながら ごめん・・・、何? と聞き返してきた。
やっぱり上の空だったじゃねぇか。考えるのは後にしろよ。と、睦月は少々怒ったように返答した。
どうやらマジギレは免れたらしい。

睦月は優寿にも、自分にも、すみのにも怒りを覚えていた。
「ふぅ、もう切り上げていいか? こっちは疲れてんだよ、何回も言わせんな・・・」
「ごめん・・・。もういいよ。ありがと睦月」

おう。と短い返事を残して睦月は《生徒会室》もとい《部室》を後にした。


「さて、と。四ツ野達の様子でも見に行くか」
睦月が言い終わるか終わらないかの辺りで、誰かとぶつかった。

廊下を走っていたか、右側通行をしていたか。
睦月は足元を見ていなかったので判断をできなかった。

「おい、誰だよ・・・。」
「うわっ、睦月ィ・・・?」
ぶつかったのはどうやら俺が今一番会いたくなかった奴らしい。

そう考えていた睦月だったが、すぐに頭を回してそこに居た、ぶつかってきた人物に声をかけた・・・。

 

 

 

そういえば久しぶりだね。
「睦月」

相変わらずこいつの考えも行動もすべてが読めないな・・・。と、過去を思い出すようにして睦月は立ち上がった。

++++++++++

「久し振り、だね」
「・・・うん。そうだね、すみの」
睦月はすみのと衝突した後《生徒会室》もとい《部室》に戻ってきた。
その後すぐに睦月は、
四ツ野と柘榴、呼んでくる。と一言残して部屋を出て行った。

「あーあ、会いたくなかったよ」
「・・・そう」
「ね、優寿。ここって生徒会室だよね。確か」
「・・・うん」
「優寿って生徒会長なの?」
「・・・そうだけど」
明らかに不機嫌な優寿にすみのに嫌気がさしていた。

しばらく無言が続いた。


すみのがため息をつくかつかないかのところでちょうど睦月たちが部屋に入ってきた。


・・・睦月たちから見るとかなりひどい状況なのだろう。

客人であるはずの少女はすごく目が死んでいて、不機嫌そうに見える。
一方、我らがリーダーの少年はというと、目に見えるほどの不機嫌さ、目が完全に死んでいた。

そこにやって来た少年と少女はどうするでしょう。


▼逃げる。
▼話しかける。

▽逃げる。

「失礼しましたー」
睦月と葉子はいそいそと部屋から出て行った。

ちょっと待ちなさいよアンタ等。というすみのの声によって2人が出ていくことは制された。
「何? ここに連れてきて何がしたいわけ? っつーかアンタ達《アヴケラ》に喧嘩売ったんじゃなかったの?」
すみのは目を殺したまま話している。
せめて目を殺すのはやめていただきたい・・・。という睦月の願いも虚しくそれが叶うことはない。


なんとかこの現状を打破できないものか・・・。と考え続ける睦月。
すると葉子は口を開いた。

が。

何も言わずに口を閉じた。
何も追求すまい………。と睦月は押し黙っていた。


もちろんすみのの恐ろしさもあるのだろうが。